コンタクトによる眼障害は1年で150万件
日本では、約1500万人の方がコンタクトレンズを使用しています。コンタクトレンズの性能やケア用品などは、おおきく進歩していますが、その一方で、不適切な使用やレンズケアによって、眼のトラブルが急増しています。
日本眼科医会が平成14年におこなった調査では、コンタクトレンズによる眼障害は、1年間に約150万件も起きていると推計されています。
また、コンタクトレンズには長期間使用すると、角膜が薄くなるという弊害があるほか、角膜内皮細胞が死滅するというリスクもあります。
角膜内皮細胞は、コンタクトレンズを5年間、連続使用すると10%減少するため、コンタクトレンズを付けられる期間は25年が限界と言われています。
角膜上皮びらん
角膜上皮組織が剥がれ落ちてしまう状態です。角膜の酸素不足により引き起こされる点状表層角膜炎が悪化して、発症したり、コンタクトレンズで角膜がこすれて生じたりします。
角膜上皮びらんの主な症状は、異物感、眼がしみるなどで、重症になると、はげしい痛みやまぶたの腫れが生じることもあります。
アレルギー性結膜炎
目の結膜に付いたスギやヒノキなどの花粉、ダニ、ハウスダストなどによって引き起こされるアレルギー性疾患です。目のかゆみ、充血、目やに、腫れなどの症状を引き起こします。
また、かゆみがあって目をこすると、白眼にむくみが起こって、白眼が急に腫れてゼリー状に飛び出してくることがあります。症状の強い方のなかには、まぶしさや視力障害が生じることもあります。
コンタクトレンズについた汚れによって、アレルギー性結膜炎を起こすケースも増えています。
角膜血管新生
結膜や強膜から、角膜に欠陥が侵入してしまう状態です。角膜は無色透明で、本来、血管はありませんが、角膜に酸素が足りなくなると、このような現象が生じます。
酸素透過の低いコンタクトレンズ、眼の形にフィットしていないコンタクトレンズを長い間つかっていると起こる症状です。自覚症状に乏しく、角膜潰瘍を伴うこともあります。
角膜血管新生が初期の場合は、コンタクトレンズを付けるのをやめることで治りますが、重症の場合は、侵入した血管が残ることもあります。
アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバ(アメーバの一種)が角膜に感染して起こる病気です。角膜の感染症のなかでは一番重症です。アメーバで汚染されたコンタクトレンズを使用することによって、生じることがほとんどです。
アカントアメーバ角膜炎の進行はゆるやかですが、ほかの感染に比べて眼の痛みがとても強いのが特徴で、涙もかなり出ます。また、白眼の充血も強くなります。
視力の低下は、初期は軽めですが、ゆっくりと見えにくくなり、進行すると重度の視力障害になります。
